日本酒ガール ルポ&イラストレーターの松浦すみれ様のお名刺です。
京都活版印刷所の店頭にお名刺のご相談に来られました。
コストの観点からカラーで活版印刷をする意味合いがあるのか・・・。
イロイロ想いが巡り一度やんわりお断りした案件でした。
丁度、活版印刷研究所で蛍光色の3色掛け合わせのテストをしていたタイミングがありました。
商品としてでなく、印刷テストとしてレギュラー3色でのカラー印刷の再現を試させて頂くことにしました。
印刷テスト
今回の名刺は試してみたい事をチャレンジしてみました。
実際のご注文としては沢山の免責を頂くようになりそうです。
この活版名刺の仕様です。
用紙:ハーフエア コルク 4/6判 180kg
印刷:表面 活版印刷4C(レギュラー3色+特色)/裏面:オンデマンド印刷カラー4C
Client&Design:松浦すみれ様
活版印刷でのカラー印刷
お名前のある面は、シアン、マゼンダ、イエローのレギュラー3色の掛け合わせで花のイラストを再現しています。
少し印圧を入れたいこと、水彩画の雰囲気が出たら良いなと思い、製版は100線で再現しています。
1色ずつを4回印刷していきます。アミ点の見当あわせはばっちりです。
ドットゲインも考えながら印圧もほぼ入れずに印刷しましたが、最後に凸凹感を出したく印圧をいれると、やはり目指す色のターゲットから大きく外れてしまっています。
1色ずつ色を乗せていきます。
各色、濃度を確かめながら色を重ねています。
御名前部分は、特色で印圧を強くいれて印刷しています。
テストでの感想は・・・。
活版印刷のカラーとして線数が粗いことや、活版印刷独特の網点での再現になっています。
独特の世界観や微細なディテールの違いは出るよう思います。
あとは、デザイナー、クリエイターの皆様が求められるご要望にお応えできるかは、試行錯誤が必要に感じました。
オンデマンド印刷と活版印刷との併用
弊社では、名刺での印刷は、オンデマンド印刷と活版印刷の併用や、オフセット印刷と活版印刷の併用を出来る限りしないようにしています。
今回はオンデマンドと活版印刷の併用をしました。
普段はなぜお断りすることが多いのかご説明できたらと思っています。
両面や多色の印刷時は、印刷位置のズレがでないよう、トリムマーク(トンボ)がある状態で印刷していきます。
まず、オンデマンド印刷でA4やB5サイズなどで面付けして印刷後、1丁サイズにて断裁して活版印刷をしていきます。
オンデマンド印刷では、左右の微妙なずれや、断裁時の裁ちかぶりなどにより、活版印刷での加刷をする場合、
必ず見当のズレが生じます。
弊社では、この見当のズレが出る可能性のある仕事を避けれればと考えております。
店頭での活版印刷のご相談
活版印刷が初めてなので不安だとか、実際に出来上がった商品を見てみたいなど活版印刷や特殊印刷などのご相談に御気軽にお越しください。
弊社店舗、京都活版印刷所には、特殊紙の見本帖やDIC,PANTONEのカラーチップ、今までの印刷サンプルを揃えています。
お越しになる時は、事前にご連絡頂ければ、お待ち頂いたりせずにご相談できる時間をお伝えすることが出来ます。
初回掲載:2016年9月26日
改訂掲載:2022年6月17日