京都西陣の藤田織物(株)の名刺を請け賜りました。
点、線、面で構成される立体形状で世界にひとつしかない帯を丁寧にひとつひとつ作られています。
弊社の店頭までお越し頂き、版下の校正や紙を一緒に選らばせて頂きました。
名刺の仕様
用紙:ニーナコットン スノーホワイト660×1016判 199kg
印刷:活版印刷 1c/1c(両面1色) 印圧:干渉しない程度に強く 刷り色:超高濃度スミ
Client:藤田織物株式会社
用紙や版、インキについて
用紙はアメリカの製紙メーカーである、ニーナ社のコットン100%のニーナコットンを使用しました。
コットン100%で優しいテクスチャーと印圧が入りやすく活版に適した用紙のひとつです。
たくさんの紙見本の中より雰囲気や優しさからお選びいただきました。
版やインキも最良を求め、ディテールに拘る印刷に挑戦しています。
インキはオイルベースの活版インキでは再現できない深い黒を求め、コロタイプ印刷で使用するインキと同様のパウダーベースにて活版印刷用に設計した弊社オリジナルの超高濃度スミインキを使用しています。
版はデザイン内容により金属版、樹脂版と使い分けています。
このお仕事は亜鉛版を使用しました。
この亜鉛版(H29.7月現在)は国内での生産は終了しており、日本国内に流通するものはアメリカ製、中国製の板となります。
やはり、細かい文字の品質が落ちています。白抜きも綺麗で無かったです。
そこで弊社ではアメリカの輸入版のレジストを剥がし、再度綺麗に均一にレジスト層を貼り直した版を使用させて頂いています。
普段あまり説明したりしないのですが、弊社では最良の商品を仕上げるため、日々材料などの改良を行っています。
このお名刺のお仕事を通して、藤田さまにはものづくりに対しての想いや拘りなど沢山学ばせていただきました。
お話を伺うなかで、私共にはまだまだな事たくさんありました。気付きを頂き感謝しております。
日々研鑽、精進して参ります。