活版印刷とは

LABO
2018.11.15

【活版印刷ってどんな印刷?】

活版印刷とは、活字を組み合わせて作った版=活字組版を使った印刷方法です。
印刷は使う版の種類によって「凸版」「凹版」「平版」「孔版」の※4つの方式に大きく分けられ、活版印刷は凸版に分類されます。凸版印刷の基本原理はいたってシンプル。印刷したい部分が凸状に製版されており、その部分にインキを付けて紙を乗せ、上から圧力をかけることで紙にインキを転写します。
木版などは版が一枚の板からできていますが、活版印刷は文字のひとつひとつが別々の活字でできているため、これらを組み合わせることで何度も版を作ることができます。元来はこの可動活字で作られた版による印刷が本来の意味での活版印刷に当たりますが、現在では「凸版を印刷版に用い、印圧による紙の凹凸が感じられる印刷」ともう少し広義に解釈される傾向にあるといえるでしょう。

【※4つの印刷方式を図解します】

凸版印刷、凹版印刷(グラビア印刷など)、平版印刷(オフセット印刷)、孔版印刷(シルク印刷)
印刷方式

【活版印刷の歴史】

活版印刷の発祥には諸説ありますが、東洋で生まれたというのが一般的です。11世紀の北栄の発明家・畢昇(ひょっしょう)による膠泥活字、13世紀の高麗の銅活字、14世紀の元の篤農家・王禎(おうてい)による木活字がよく知られており、活字による印刷物も現存しています。しかし、19世紀末までは東洋では活版印刷はあまり広く定着しませんでした。26文字のアルファベット主体の西洋と違い、漢字文化圏では膨大な数の活字が必要だったため、というのがその理由とされています。
一方西洋では、ドイツのヨハネス・グーテンベルクが、14世紀に活版印刷を発明したとされています。鋳造しやすい鉛合金の採用、正確で安定した鋳造技術、活版印刷に適したインキの改良、ぶどう絞り機からヒントを得たとされる印刷機の開発など、近代的な活版印刷技術が確立しました。この活版印刷には、それまで主流だった写本や木版よりも高い生産性があったため、ヨーロッパ各地に普及し、さらに世界中に広まっていきました。

活字
漢字の活字。西洋に比べ普及伸びなかったのは、活字の多さが一因と考えられている。

活字_活版
アルファベットの活字。高い生産性があったため、爆発的に普及して広まっていった。

【日本での活版印刷】

日本には、16世紀末に東洋・西洋それぞれから活版印刷技術が伝わりました。
西洋からは天正少年使節によって印刷機と技術が導入され、東洋からは豊臣秀吉の文禄・慶長の役による銅活字の導入があり、安土桃山時代後期から江戸時代初期にかけて様々な本が出版されました。しかし、江戸幕府によるキリスト教禁教や鎖国によるヨーロッパ文化の排他、また前述の通り、漢字や仮名文字の活字の多さや、くずし字の形状の問題等も相まって、江戸時代は従来の木版が主流でした。
本格的な定着は幕末から明治にかけて。西洋化・近代化の波に乗り、通訳者であった本木昌造、実業家の平野富二などの尽力によって、活版印刷が本格的に日本に導入されました。日本語の活字の鋳造・体系化が行われ、以降、1970年代以降に写真植字やDTPが現れるまで活版印刷は、文字印刷の主流となります。

 

【現在における活版印刷】

長らく文字印刷の首座にあった活版印刷ですが、写真植字やDTPの台頭によりその数を減らしていき、21世紀現在では商業印刷の中心を担う役目は終えています。しかし、活版印刷はなくなったわけではありません。身近なところでは、名刺、賞状、結婚式のペーパーアイテムなどの、少部数でも高品質な印刷が求められる分野でよく使われており、書籍でも限定本などの趣味性・専門性が高い分野で特に好まれています。
活版印刷がもつ独特の味わいは現在の印刷にはない魅力があります。凹凸の面白み、わずかなインキの溜まりやかすれの味わい、オフセット印刷が困難な紙への印刷、インキをつけずに凸版を押す空押し、などその魅力は様々で多岐に渡ります。現代の印刷にはない表現方法として再び注目を浴びています。
活字を選ぶ、文字を組む、インキを塗布する、圧をかける、インキが乾くのを待つ。「伝えたいこと」があるからそのひとつひとつの作業を行って「刷る」。それらに関わっている人の体温がどこか感じられるのも、活版印刷の魅力かもしれません。

 

活版_インビテーション
印圧による紙の凹凸は、活版印刷の魅力のひとつ。
やギフトアイテムなど、現在でも活版印刷が好まれるシーンも多い。

 

【活字とは】

活版印刷に用いられる文字の型を活字といいます。角柱の頭頂部に文字や記号を左向き(いわゆる鏡文字)に突起させており、この突起部が印刷面となります。鉛を主成分とした合金を鋳型に流し込んで鋳造されたものが一般的ですが、線画などの精密な表現が得意な亜鉛版、金属活字にない文字を手彫りで作れる木活字など、用途によって様々な素材が使い分けられます。

活字名称

【活字の大きさ・高さ】

欧米活字の大きさは「point(pt.と略される、本文中では以下ポイントと記載)」という単位で表されます。1インチの1/72を1pt.としますが、活字におけるポイントは正確に1インチの1/72ではありません。アメリカ、イギリス、日本などでは「アングロ・アメリカンポイント(1pt. = 0.3514mm)」が採用され、ヨーロッパの多くの国ではフランス発祥の「ディドーポイント(1pt. = 0.3759mm)」が普及して使用されています。現代のコンピュータ組版では、1インチの正確な1/72が「DTPポイント(1pt. = 0.3528mm)」として使用されています。
活字の高さは、おおよそ1インチより少し低い高さ(0.918インチ、0.923インチ、0.928インチなど)が基準となっていますが、国や地域の基準によって様々な差異が見られます。印刷時には字面の高さを揃える必要がありますが、同国内でさえも活字の高さはまちまちです。他の鋳造所との混用ができないようにという販売戦略上の理由から、鋳造所が意図的に差異を設けたとも考えられていますし、またその逆に、鋳造所が発注元が採用している高さに合わせて、自社基準の高さをあえて調節したと思われる活字もあります。

 

【号数について】

和文活字では、ポイント制以前に作られた「号数制」という日本独自の規格が使われてきました。もっとも大きい初号から順番に、一号、二号、三号と番号が増えていくにつれて小さくなっていき、八号までの9種類があります。従来使われていた号数制は、横並びの大きさでは倍数関係が成立しますが、縦並びの大きさには関連性がありませんでした。この問題を解消するため、五号の1/8の厚みを基準に割り出した新号数制が1962年にJIS規格として定められました。この規格に則った活字を「新号数制活字」、それ以前の活字を「旧号数制活字」と呼びます。新号数制では、初号(≒45pt.)、二号(≒21pt.)、五号(≒10.5pt.)、七号(≒5.25pt.)の大きさは旧号数制と同じで、一号、三号、四号、六号、八号、が小さくなっています。関東圏では他の地域と比べて新号数制活字の採用が少なく、旧号数制活字が使われ続ける傾向にありました。
後に号数制に加えてポイント制も併用するようになったため、和文活字の大きさを表す環境は複雑なものとなっています。また、号数以外にも、独自の発展を遂げてきた足跡が和文には数多くあります。そちらはまた別の機会にご紹介します。
活字サイズ表

【CAPPAN STUDIOが目指す活版印刷】

私共は創立60余年の印刷会社です。創業時より活版印刷の仕事に携わり、職人の代が変わっても引き継がれた印刷技術を活かし、最新の印刷技術や資材も活かしながら日々進歩していけるよう、モノづくりに対して魂を込めた商品を世の中に出していけるよう活版の昇華を目指し研鑽しています。

CAPPAN STUDIOが目指す活版印刷とは

『活版』
物質として存在する文字「活字」。1文字1文字を拾い組み合わせる活版印刷。
先代の職人達の魂や熟練の技術を引き継ぐ。
『kappan』
デジタル化される中で蘇る凸版。現在の潮流である凸凹のある新しい活版印刷技術。
日本の繊細な印刷を活版印刷で世界へ。
『cappan』
弊社の持つ、全ての技術を結集し、最新の印刷技術をも活版印刷へ盛り込み、弊社独自の技術の確立。
活版に関する全ての人・モノ・情報を伝える。

古来(従来)の凸凹を出さないで刷るという技術。この技術を応用し現在の凸凹を出しながら綺麗に上質に仕上げる技術も魂を込めて皆様に喜ばれるモノづくりが出来るよう精進します。

【活版印刷で出来ること】

私共が活版印刷や特殊加工を通して出来ることをご紹介します。

〼名刺〼ショップカード〼封筒〼コースター〼下げ札〼タグ〼プライスカード〼ポストカード・DM〼チラシ・フライヤー〼カタログ・パンフレット〼写真集〼台紙〼オリジナル文具・雑貨OEM製造〼紙袋〼包装紙〼パッケージ〼カレンダー〼年賀状

活版機や印刷資材の販売
活版機を設置したワークスペース
活版ワークショップの企画・出張・運営
プリンティングディレクション
オリジナル雑貨の製造販売

活版印刷に商品の一例を写真で紹介します。

〼名刺
スノーブル名刺

〼ショップカード

活版印刷ショップカード小口染め

左上から右へ、〼2折ショップカード、〼伝票、〼領収書、〼名刺

活版コーポレートグッズ

〼ポストカード

〼焼酎ラベル

活版印刷焼酎ラベル

〼B3サイズ フライヤー

フライヤー_b3_活版印刷

〼貼箱
活版印刷X引き箔

高級高価文箱オーダー

〼活版メモ

〼ノベルティ

左から、あぶらとり紙、懐紙、和綴じ一筆箋

あぶらとり紙

〼パッケージ(箱)、ラベル

パッケージ_活版印刷

〼カレンダー

マーメイド_カレンダー

その他、引続き更新してご紹介していきます!

 

 

 


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

活版印刷に関するコト,お気軽にご相談下さい

CAPPAN STUDIO 活版印刷

関連記事
黒林堂
レタープレスインキ
エンボス加工と活版印刷名刺

エンボス加工(浮き出し)と活版印刷の名刺のご紹介です。 コットン100%のクレーンレトラを使用した名刺となります。 クレーンレトラの優しい表情と、エンボスでの浮き出しと活版印刷での強い印圧をいれた印刷で名刺上に凸凹を表現しています。 エンボ…

WORKS
2018.11.23
活版印刷とは
活版印刷とは

【活版印刷ってどんな印刷?】 活版印刷とは、活字を組み合わせて作った版=活字組版を使った印刷方法です。 印刷は使う版の種類によって「凸版」「凹版」「平版」「孔版」の※4つの方式に大きく分けられ、活版印刷は凸版に分類されます。凸版印刷の基本原…

LABO
2018.11.15
小口染め
名刺、カードの小口染め

小口染めできます。 名刺やカードなどの小口染めが出来ますか? というお声にお応えします!   小口染め(edge print)とは?   小口染めとは、印刷物の断裁面の左右にあたる小口側、上部の天側、そして下部の地側の四…

WORKS
2018.10.15
レタープレスコンボキット
レタープレスコンボキット(活版印刷機)販売中

We R memory keepers アメリカのメーカーのパーソナル印刷機、レタープレスコンボキットを販売しています。 メーカーの付属品がインキ+周辺キットからスタンプで活版印刷する方法に変わりました。しかし、弊社では引続きインキで印刷で…

PRESS
2018.06.15
PANTONE® BASIC COLORSミニ活版インキ

活版印刷用ミニインキ新色 cappan studioオリジナル販売中! こちらよりお買い求めいただけます。http://www.letterpress.jp.net/ PANTONE® BASIC COLORSの18色、従来の一般色13色も…

PRESS
2018.05.10
織田信成_活版
関西テレビ「よーいドン!」でご紹介頂きました。

活版印刷オリジナルノート作りを関西テレビ『よーいドン!』でご紹介頂きました。 織田信成さんが来られました。 年齢より若く見え、爽やかな方でした。 ノートには織田さんの座右の銘 NO PAIN NO GAIN を活字で組ませてもらい、テキンを…

KYOTO PRESS
2015.09.30
ハーフエアヘンプ_紙
ハーフエアヘンプの紙を選ぶ

鹿児島県屋久島よりハーフエアヘンプを使用した活版印刷名刺を請け賜わりました。 表2色印刷の可愛いお名刺です。 活版印刷名刺の仕様 商品名:活版印刷名刺 サイズ:55x91mm 用紙:ハーフエア ヘンプ四六判180kg 印刷:活版印刷 表2色…

WORKS
2019.01.21
活版名刺_鍼灸師
鍼灸師 活版名刺

奈良市の鍼灸、笑満さまより活版名刺のご注文を受け賜わりました。 活版名刺のご仕様 サイズ:55x91mm 用紙:大和板紙 DKスノーA 730gsm 印刷:活版印刷2C/0C 【刷色:高濃度スミ、 高濃度赤口金 印圧:ヘビープレス】 Cli…

NARA
2019.01.18
ハーフエア_名刺
ハーフエア コルクX活版印刷 名刺、ショップカード

ハーフエアのコルクを使用した活版印刷、ショップカードのご紹介です。 イタリアのごはんとワイン『チルコロ』さんのショップカードで両面1色の活版印刷で仕上げています。 両面ともにDICの特色で指定頂いています。 ハーフエアコルク ショップカード…

WORKS
2019.01.03
namecard_letterpress
大和板紙DKスノー

奈良店にて活版印刷の名刺を大和板紙のDKスノーを使って賜わりました。 活版名刺のご仕様 サイズ:55x91mm 用紙:大和板紙 DKスノーA 印刷:活版印刷1C/0c【刷色:高濃度スミ 印圧:ヘビープレス】 加工:小口染め【色:DIC138…

NARA
2019.01.02
活版印刷名刺相談_大阪
淀屋橋店活版名刺受注会 開催(1月度)

竹尾 淀屋橋見本帖内のCAPPAN STUDIO淀屋橋店にて活版印刷名刺受注会を開催します。 用紙は竹尾スタッフさんに、印刷に関することは弊社にて様々なアドバイスが出来ればと思っています。 【日程】 2019年 1月5日(土)13:00-1…

YODOYABASHI
2018.12.27
活版印刷名刺_相談会
奈良店 活版名刺相談会(1月度)

奈良店では活版名刺相談会開催中。 2019年1月の相談会の日程です。 【日時】 1月8日(火)13時-16時 1月12日(土)13時-16時 1月22日(火)13時-16時 活版印刷って何?どんな紙があるの? インキはどんな色があるの?どう…

NARA
2018.12.19
奈良_活版印刷ワークショップ
奈良店 活版印刷ワークショップのお知らせ

CAPPAN STUDIO奈良にてレタープレスコンボキット を使ったワークショップ開催いたします。(要予約) アメリカの活版印刷機 レタープレスコンボキットを使ったワークショップを開催します! お好きな紙を選んで、カードやしおりを作ったり。…

NARA
2018.12.18
WILD03_活版印刷見本
ワイルド-FS(輸入紙 竹尾)の活版印刷名刺

竹尾からトライアルで出ている輸入紙WILDを使った活版印刷名刺です。 初めて名刺で使用させて頂きました。 2018.12.10追記 こちらの用紙が『ワイルド-FS』として販売開始されました。 トライアル品にサイズ剤の含有した商品で見た目はト…

WORKS
2018.12.10
多色(特色)活版印刷
特色7色(多色)の活版印刷

京都市中京区、松久宗琳佛所さまより特色7色のオリジナル商品の印刷を請け賜わりました。手書き原稿を元にスキャン、および特色への分色作業をしております。 袋状になった商品で袋部分にはお香が入っています。 オリジナル活版商品 商品名:香守り 印刷…

KYOTO PRESS
2018.11.22
活版名刺_ハーフエアヘンプ
ハーフエア ヘンプの活版名刺

ハーフエアヘンプを使用して名刺を請け賜わりました。両面活版印刷で1色の印刷となります。 活版名刺では人気のある用紙の一つであるハーフエア、その中のヘンプを使用しています。 ハーフエア ヘンプ 名刺仕様 商品名:名刺 サイズ:55x91mm …

WORKS
2018.11.21
NTラシャ_活版ショップカード
活版ショップカード、NTラシャ黄色

京都市東山区のHAPPY BUNSさまのショップカードをNTラシャ黄色を使って活版印刷で請け賜わりました。 NTラシャ 竹尾が1949年に発売。今も愛されるファインペーパーです。色展開は四六判100kgの斤量が120色と一番多く、淡い色から…

WORKS
2018.11.15
活字_アクセサリー
活字アクセサリー|Accessory&Product POPUP SHOP

弊社にある廃活字を使ったアクセサリー&プロダクトのご紹介です。専門学校ヒコ・みずのジュエリーカレッジ大阪の講師の方と学生さんの協同によるアクセサリーブランド『NEWINWEST』。 2018年11月21日(水)-29日(木)12:00-19…

2018.11.14
名刺_越前生漉奉書9代目岩野市兵衛
越前生漉奉書9代目岩野市兵衛|耳付和紙

人間国宝の岩野市兵衛さんが漉かれた耳付の和紙でお名刺を請け賜わりました。 越前生漉奉書9代目岩野市兵衛 日本有数の和紙産地・福井県越前市。ここで作られる「越前和紙」は和紙のトップブランドとしても名高く、その代表的な和紙職人の1人が岩野市兵衛…

WORKS
2018.11.13
Top to page