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活版印刷は代表的な新聞印刷技術|特徴や印刷方法を解説

2021.09.26LABO

活版印刷の活字が並んだ棚

活版印刷は幕末から明治初期ごろにかけて、使われるようになった印刷技術です。
おもに新聞や雑誌などの広く読まれる印刷物の印刷方法として利用されてきました。
印刷技術の進歩により、新聞をふくめ多くの商用印刷がほかの印刷技術にとって代わるようになりましたが、独特の風合いのある活版印刷はいまだ多くの需要があります。
活版印刷を使った新聞の特徴や、印刷方法について解説します。
個人や企業の新聞、会報などを活版印刷で作りたいという人も、ぜひ参考にしてください。

活版印刷とは?歴史や特徴を解説

インキをつけて押された活字

活版印刷の概要、歴史や特徴について解説します。

活字組版を使った印刷方法

活版印刷とは、活字と呼ばれる文字のパーツを並べた活字組版を使った印刷方法です。
活字組版とは、印刷に出る部分(活字など)が凸になっています。
印刷の際は、凸部分にインキをつけ、上から紙を押し当てて行います。

現在では、活字組版ではない凸版を使って印刷し、印刷した面に凹凸が感じられる印刷方法も活版印刷と呼ばれることが多いです。

明治3年から活版印刷の時代へ

活版印刷は、1445年にドイツのヨハネス・グーテンベルグによって発明されたと言われています。
日本に活版印刷の技術が入ってきたのは、16世紀ごろです。
東洋と西洋のそれぞれから日本に活版印刷が伝わりましたが、当初はあまり広まりませんでした。
当時の日本は絵入り本が主流、かつ日本のひらがなが草書体で書かれていることが多かったためです。
木版印刷や写本がしばらく主流の印刷技術として用いられていきます。

その後、1870年(明治3年)に本木昌造によって号数活字を用いた日本独自の活版印刷が実用化されます。
木版印刷や写本よりもスピーディ、かつ多くの印刷ができることでここから活版印刷が主流の印刷方法として用いられるようになりました。

新聞と雑誌の草分け的存在に

活版印刷で作られた初めての新聞が「横浜毎日新聞」です。
洋紙に紙面を一枚刷りにした、現在の新聞と似た形状になっています。
横浜毎日新聞以前にも新聞は発刊されていましたが、木版印刷によって和紙に印刷し、袋とじにしたものでした。
活版印刷が使われる以前は、雑誌も新聞も同じ形状だったのです。
活版印刷によって雑誌と新聞が区別化され、ほかの書籍なども大量に出版されるようになりました。

活版印刷が新聞と相性が良い理由・ ポイント

新聞と印刷機

現在は多くの印刷技術が進歩し、商用には活版印刷は使われなくなりました。
一方、衰退するなかでも平成の初頭まで、活版印刷は新聞の印刷技術として用いられてきました。
活版印刷が新聞の印刷向けの特徴を多く持っていたためです。

活版印刷が新聞の印刷に向いていた理由やポイントを解説します。

一度刷ったら版の保管が不要

活版印刷は、版のうえに活字を並べて紙面を作成し、印刷します。
印刷したい活字を入れ替えれば、異なる版を作ることも可能です。
基本的に新聞は一度刷ると同じものは刷りません。
活字を入れた活版組版の状態で保管しなくてよいため、とくに新聞の印刷に用いられました。

訂正や追加がかんたんにできる

活版印刷は、活字を入れ替えれば印刷する内容を変更できます。
誤字が見つかったときの訂正はもちろん、最新の情報や広告を掲載するために新聞の書面は内容の追加、変更の機会も多いです。
活版印刷なら訂正や追加がかんたんにできるのも、新聞の印刷に向いていたポイントです。

活版印刷で新聞を印刷する手順を解説

英字新聞

実際に活版印刷で新聞を印刷する手順を解説します。

原稿に沿って活字を用意(文選)、植字する

書面として印刷したい原稿と、使用する活字を準備します。
新聞社ではスムーズに紙面で使う文字を見つけられるように、活字をよく使用する順に並べられていることが多かったです。
さらに、さんずい、てへん、いとへんなどの漢字の部首ごとに分類されていました。

新聞の原稿に従って、版のうえに活字を並べて活版組版を作ります。
この作業は植字と呼ばれ、1記事ごとに作っていきます。
作業に慣れているベテランの人でも、1面の植字には45分ほどかかります。

結束する

新聞に印刷する版全体が組み上がったら、糸を使って版全体を縛ります。
植字した活字がバラバラに落ちてしまうのを防ぐためです。

試し刷りをする

出来上がった活版組版の試し刷りを行います。
組んだ紙面に誤植がないか確認するためです。
このときの試し刷りのものを「ゲラ」と呼ぶので、試し刷り作業は校正刷りやゲラ刷りとも呼ばれています。
誤植があったら、ピンセットを使って正しい活字と入れ替えます。

印刷する

校正の結果誤植がない、または誤植を訂正したら印刷機に活字組版を取り付けて印刷します。

 

新聞をはじめとした活版印刷が便利&手軽にできる「CAPPAN STUDIO」の活版印刷とは

テーブルの上のカタログとスマートフォン

活版印刷は新聞の印刷に向いている以外にも、凹凸が楽しめる、レトロな風合いが演出できるなどのいろいろなメリットがあります。
新聞や会報などを活版印刷でもっと手軽に作れる方法が「CAPPAN STUDIO」の活版印刷です。

活版印刷のすぐれた仕上がりや風合いを実現できる、CAPPAN STUDIOの活版印刷サービスを紹介します。

実績と歴史のある印刷会社が提供

CAPPAN STUDIOの活版印刷サービスは、創業60年の活版印刷会社が提供しています。
長い歴史と実績により、職人の持つ確かな技術を用いた活版印刷が可能なため、満足の仕上がりが得られます。
ややハードルの高さを感じる活版印刷を、確かな技術ながら気軽にご依頼いただけます。

デジタルデータでの入稿やデザインが可能

新聞を活版印刷しようとすると、印刷機、活字、インキなどの準備に加えて、植字する技術も必要になります。
CAPPAN STUDIOの活版印刷サービスは、IllustratorやPhotoshopのデータで入稿可能です。
さらに、手書きでの入稿もできます。好みのフォントやデザイン、ロゴを入れるなども対応可能です。入稿したデータの凸版を作成し、印刷します。
紙面やデザインが作れない、という場合にはデザイナーにデザインを任せることもできます。

印刷用紙やインキが選べる

CAPPAN STUDIOの活版印刷サービスは、使用するインキの色や印刷用紙の種類も幅広く取り揃えています。
サイトに取り扱いの記載のない用紙でも、竹尾、平和紙業をはじめ日本国内で一般的に流通している用紙なら使用可能です。
サンプルを直接メーカーから取り寄せたうえで、対応可能かどうかお気軽にご相談ください。

ほかのアイテムにも幅広く対応

名刺をはじめとしたペーパーアイテムの活版印刷にも幅広く対応しています。
角丸、エンボスなどいろいろな加工も可能です。
名刺なら50枚からと小ロットにも対応しています。
もちろん、新聞や会報などの大量生産にも対応可能です。

活版印刷を新聞づくりなどで活用してみよう

活版印刷の歴史や特徴に加えて、新聞づくりに向いているメリット、そしてデータ入稿から版を作成し、新聞をはじめとした活版印刷ができるおすすめのサービスを紹介しました。
活版印刷は日本の出版や発刊において大きな影響を与えた技術です。
かつて新聞を中心に使われていた活版印刷の風合いや出来栄えを、CAPPAN STUDIOなら高い技術力で実現できます。ぜひいろいろな用途にご活用ください。


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