活版印刷は、独自の風合いが楽しめるのが魅力です。
活版印刷の活字は、活字屋にて商品として販売されているため購入もできます。
活版印刷の用途に応じた活字を選ぶようにしましょう。
活版印刷の活字を購入するときの選び方や注意点を解説します。
より手軽、かつ理想の活版印刷がかなうサービスも合わせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
活版印刷の活字とは
活版印刷に欠かせない「活字」の概要や特徴について解説します。
活版印刷の文字部分
活版印刷とは、広義では凸版印刷のひとつです。
活字をひとつひとつ拾って組んだ版を用いて印刷します。
ほかにも、データから凸版を製版して作成する活版印刷もあります。
前者(活字を組んだ版)においては、活字はひとつひとつが独立しています。
そのため、活字を組み合わせる、または異なる活字に入れ替えることで何度でも違う版を作れるのも、活版印刷のメリットです。
活字の書体の種類
東洋と西洋のそれぞれから日本に活版印刷が入ってきた直後は、あまり流行りませんでした。
日本語は草書体が主流、かつひらがな、カタカナ、漢字と複雑で文字の種類が多かったためです。
その後、活版印刷向けにひらがなや漢字が体現化されたことで活版印刷が広まりました。
現在は、すっきりとしたシルエットで正方形に収まる形の明朝体をはじめ、ゴシック体、正楷書体、教楷書体、宋朝体、清朝体、欧文活字、花形活字など活版印刷の活字の種類も増えました。
活字の構造
活字は並べて活版印刷の版として使用します。
活字は鋳造された鏡文字の字面とカウンター、四方部分の肩、字面の上側側方の腹、同じく下側側方の背、左右側面のボディとボディにあるくぼみのピンマーク、腹の下のくぼみであるネッキ、下部分の溝とフットから構成されています。
活字の大きさ
活字によって大きさが異なり、大きさの単位は「ポイント(pt.)」と「号数」で表されます。
一般的なポイントの目安は「1インチの1/72を1pt.」です。
ただし活字のポイントはさまざまな目安があり、販売店や活版印刷所によっても目安が異なります。
・アメリカ、イギリス、日本などは「アングロ・アメリカンポイント(1pt. = 0.3514mm)」
・ヨーロッパの多くの国では「ディドーポイント(1pt. = 0.3759mm)」
・現代のコンピュータ組版では、1インチの1/72が「DTPポイント(1pt. = 0.3528mm)」
号数は日本独自の単位です。
もっとも大きい初号、一号、二号、と番号が増えていくにつれてサイズは小さくなり、八号までの9種類があります。
さらに「新号数制活字」「旧号数制活字」に分かれ、初号(≒45pt.)、二号(≒21pt.)、五号(≒10.5pt.)、七号(≒5.25pt.)の大きさは共通、一号、三号、四号、六号、八号は新号数制のほうが小さいといった違いがあります。
活字の高さはおおよそ1インチより少し低い高さが基準とされています。
ただし0.918インチ、0.923インチ、0.928インチなど国によって高さも異なります。
活字の素材
活字の素材は、鉛を主成分とした合金を、鋳型に流し込むことによって鋳造されたものが一般的です。
そのほか金属活字にない文字を手彫りで作ることができる木活字など、用途によって幅広い素材があります。
活字を選ぶ・購入するときのポイント
活字を購入して活版印刷をすることもできます。活字を購入するときの選び方を解説します。
印刷の用途やデザインに合った書体(フォント)を選ぶ
活字にはいろいろな書体(フォント)があり、用途に応じた書体を選ぶのが重要です。
こまかい文字も読みやすい明朝体、道路標識や看板などこちらが動いているとき、またはディスプレイを通じたサイトなどでも見やすいゴシック体、手書き風など個性的なフォントと、さまざまな活字があります。
また、ひらがな、カタカナ、ローマ字などの文字種についても違いがありますが、活字屋によっては複数の文字種がセット売りされていることもありますので、まとめて入手したいときにはセット購入も選択肢となるでしょう。
活字の大きさを確認する
販売されている活字の大きさは、取り扱われている商品、店舗、国によって異なります。
「2pt.」「初号」など同じ規格でも、実際の活字を比べると大きさが違う、という場合もあります。
活字は購入前に大きさがそろうかを確認してから購入しましょう。
同じ大きさ、高さにそろえないと調整に手間取る、仕上がりがバラバラになるなどのデメリットがあります。
活字の素材を確認する
活字に用いられる素材は、鉛、錫(スズ)、アンモチンなどの合金製、木製などさまざまあります。
用途に応じた素材を選びましょう。
また、合金に含まれている鉛は毒性があり、一定量を体に取り込むと中毒症状を発する場合があります。
傷口のある指先で扱わない、使用したあとは手を洗う、鉛を触った手を口元に持っていったり、皮膚をかいたりしないなどの対応が必要です。
インキや用紙も適切なものを選ぶ
活版印刷は凹凸のある仕上がり、レトロ感のある魅力的な仕上がりが得られる印刷方法です。
そのため、用途に応じたインキや用紙を選ぶことが重要になります。
活字の書体や大きさが活かせるインキや用紙を選ぶのも、活字選びと同じく大切なポイントです。
データ入稿で作成する活版印刷のメリット
手元に活版印刷機や卓上プレス機があり、自分で活版印刷をしようとしても活字選びで手間がかかってしまったり、購入した活字が合わなかった、失敗してしまった、ということがあります。
活版印刷は、活字を組んで版を作るほか、データから凸版を作成し、印刷する方法もあります。
データ入稿を用いた活版印刷のメリットを解説します。
フォントを自由に選べる
データ入稿の場合、活字の規格や材質を考慮して選ぶ必要がありません。
新品の高価な活字をせっかく一度購入しても次回から使わなかった、ということも防げます。
販売されていない活字のフォントも選べる
Illustratorなどのデータで活版印刷のデザインを作る場合、好きなフォントを選べます。
フリーフォントは活字の販売品がありません。
デジタルなら一度しか使用しないフリーフォントを使った活版印刷も実現できます。
活字を組んで版を作る活版印刷の場合、販売されている書体には限りがあります。
データ入稿による活版印刷なら、たくさんのフォントから自由に選択できるのがメリットです。
印刷物の風合い、印刷する内容など重視したいポイントに合ったフォントの選択肢が広がるため、より理想的な活版印刷を作成できます。
失敗が少ない
活字を組んで印刷する活版印刷は、誤植があった、インキがにじんだ、文字が読めない、用紙に凹凸が出ないなどの失敗をすることもあります。
データから版を作成する活版印刷は、入稿前にデータチェックをして誤植があってもすぐに修正可能です。
データを渡したあとも、印刷できるかのデータチェックが入るため、失敗はほぼありません。
繰り返し使用するデザインを保存できる
活字を組む活版印刷は、活字を入れ替えることで複数のデザインや書面が印刷できるのがメリットです。
一方、既存の版を保存しておくのには向いていません。
入稿されたデータを元に印刷する活版印刷なら、ひとつのデザインを保存しておけるメリットがあります。
たとえば名刺の活版印刷データを保存しておくと、転職や異動、引越ししたときも必要部分を書き換えるだけでまた利用できます。
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活版印刷機や活字を0から購入しなくても、気軽に活版印刷のアイテムが仕上げられるサービスが「CAPPAN STUDIO」の活版印刷サービスです。
活版印刷機や活字がなくても依頼できる
CAPPAN STUDIOの活版印刷サービスは、データ入稿またはデザインを依頼して印刷します。
活版印刷機や活字がなくても、オリジナルのデザインを活版印刷で再現可能です。
職人の技が光るクオリティ
CAPPAN STUDIOが手掛けている活版印刷サービスは、創業60年以上の歴史のある活版印刷会社のサービスです。
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活版印刷を使った名刺をはじめ、ポストカード、グリーティングカード、ポスターなどさまざまなペーパーアイテムの活版印刷に対応しています。
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対応していないサイズや加工についても、一度ご相談ください。
用途に応じた数に対応
名刺は50枚から、100枚単位で増減可能と用途に応じた数量を注文できます。
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活版印刷によるアイテム制作のほか、すでに活版印刷機を持っている人のために活版印刷の版、用紙、活版印刷機、用紙の販売も行っています。
活版印刷の活字は用途に合ったものを選ぼう
活版印刷の活字の概要と、活字の選び方と購入時の注意点、データ入稿による活版印刷のメリットについて解説しました。
データを元に版を作成する活版印刷なら、活字をひとつずつ購入する必要もありません。
活字のように書体の選択肢に限界がないため、好きなフォントも選択でき理想の仕上がりや演出も得られます。
ぜひいろいろな活版印刷のアイテム制作に、CAPPAN STUDIOの活版印刷サービスをご活用ください。