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箔押し加工とは|名刺両面箔押し、箔3種盛り(白箔、マット白箔、金箔)

2024.09.18WORKS
マット白箔

箔押しとは

箔押しとは、熱と圧力を使って箔(ホイル)を紙や他の素材に転写する加工技術です。
この技術では、接着層、金属蒸着層、着色層から成る多層構造の箔を、専用の版で圧力と共に熱を加えて圧着させます。
ホットスタンプとも呼ばれ、名刺やカード、プラスチック、ビニール、革にも対応可能です。

さらに、箔押しにはさまざまな種類があります。
金箔、銀箔、ホログラム箔など、用途に応じて選択でき耐久性や豪華さや高級感を表現します。
このため、箔押しはパッケージ、ラベル、ロゴデザインなどの幅広い応用分野で使用され特に高級感を演出したい時に最適です。

CAPPAN STUDIOではこうした多彩な箔押し加工の技術を活用し、質感やムラ取りなど細やかなところにまで配慮した、高級感と耐久性を兼ね備えた箔押し名刺をはじめ、細部までこだわった高品質な箔押し加工を提供しています。
箔押し_しくみ

●箔押しの魅力

箔押しの魅力は、金や銀などの光輝性を持つ箔によって、インキによる印刷では表現できない独特の光沢と高級感を演出できる点にあります。
箔押しは名前や社名、ブランドロゴ、イベント名など、特に目立たせたい部分に使用されることが多いです。
しかし、メインのデザインだけでなく背景や装飾にも利用することで印刷物全体を豪華に見せることができます。

例えば、名刺、ショップカード、インビテーション、ギフトカードなど特別な場面での印刷物に最適で、箔押しを施すことで、通常の印刷では得られない上質な雰囲気を演出します。

・箔押し名刺の魅力

箔押し名刺は、通常の名刺では得られない特別な高級感と洗練された印象を与えることができ、ビジネスシーンでの第一印象を格上げします。
金や銀の箔を使用することで、名刺に光沢と立体感が生まれ、特にロゴや名前などを際立たせる効果があります。
さらに、箔押し名刺は耐久性にも優れており、擦れや摩耗に強く、美しい仕上がりを長く保てるため重要なビジネス場面での信頼感を高めるアイテムです。

・耐久性の向上

箔押し加工は摩耗や劣化に対して非常に強く、その美しい輝きを長期間維持できます。
(箔材の中には耐擦が低いものもあります)
特に、名刺やパッケージのような日常的に使われるアイテムでも、色あせや変質が起こりにくいため、製品の高級感を持続的に保つことができます。
箔自体は耐熱性や耐湿性にも優れており、過酷な環境下でも見た目が劣化しにくい点も魅力の一つです。
また、耐久性があるため保存性の高い印刷物としても評価されています。

活版印刷と箔押し名刺(つや消し金箔)事例

活版印刷と箔押し名刺(レインボー箔)事例

箔押し

●熟練の職人が作業

印刷物に美しく箔を転写するのには、作業する職人の高い技術が必要です。
例えば同じ金箔を例にとってみても、層の厚みにも違いがあり、紙に合わせて適した箔を選んで使います。
他にも用紙の凹凸、デザインの細かさ、ベタの面積など、箔押しに影響する要素は数多くあります。

一口に箔押し加工といっても画一的に箔をスタンプするだけでなく、紙やデザインとの相性など様々な要因を踏まえて、毎回適した作業を行う必要があるのです。
CAPPAN STUDIOの箔押しは、豊富な経験と技術を持つ熟練の職人が作業を行います。

箔の質感やムラ取りなど、ディテールにこだわった上質な箔押しが可能ですので、できるだけお客様のご要望に応えたいと思います。

●箔押しの敷居を低くしたい

箔押しに対して「高価で納期が長い」というイメージを持っているデザイナー・クリエイターの方は多いと思います。
また経験がない方はデザインの再現性に不安を感じたり、データの作り方がわからなかったり、箔押し加工のことは知っていても、実際に使ったことがないという声も耳にします。
箔押しの面積を大きく取らなければ金額を抑えられますし、ワンポイントに施すだけでも高級感を演出できるので、名刺などにも効果的に使えばそれほどコストもかかりません。
お客様にとって最適な箔押しをご提案させていただくこともできますので、まずは一度ご相談ください。

【箔の種類】

箔押しにつかう箔には様々な種類があります。
一口に箔押しといっても様々な個性があり、表現できる領域にも違いがあります。

箔押しの色見本、指定について

箔色見本

●箔押しの代表格・メタリック箔

金箔や銀箔などに代表される、キラキラとメタリックに輝く金属性の箔です。
強い光沢があるので、高級感や華やかさを演出するのに特に向いており、箔押しの代表格とも言えるでしょう。
メタリック系の箔には金銀だけではなく、赤、ピンク、オレンジ、グリーン、ブルーのように鮮やかな色の箔もあります。
色の幅も広く、例えばブルー系の箔に限定しても、スカイブルーやコバルトやネイビーなど、幅広いラインナップの中から選ぶことができます。

●つや消しや暗色の箔で上品な印象に

金箔や銀箔にはつや消し仕様のものが用意されていることも多く、目的に応じた使い分けができます。
箔押し加工で華やかさを加えたいけど、ギラギラと光って主張が強すぎるのは避けたいという場合などには、つや消しの箔がおすすめです。
つや消し以外にも、黒やグレーなど暗めの箔色は主張しすぎにさりげなく使えるので、クールな印象に仕上げることができます。

●絵の具のような顔料箔

表面がマットな、顔料箔と呼ばれる珍しい箔もあります。
顔料・染料をベースフィルムにコーティングしており、メタリック箔のキラキラ感とはひと味違う、しっとりとした艶のある輝きが魅力です。
“絵の具のような”と形容されるように厚みのあるボリューム感も特徴で、黒や濃紺などの紙に白などの明るい色を乗せたいときなどにもおすすめです。
オフセット印刷ともメタリック箔とも違う色合いと輝きを出すことができます。
様々な素材に適応できるのも特徴です。

●ホログラム箔

見る角度によって輝きが違うホログラムホイルも、箔押しに使われます。
オーロラ模様、縞模様、ドット模様と柄・パターンが豊富でデザイン性が高いため、シンプルに平面に加工するだけでも目を引きます。
金や銀だけでなくカラーや透明ホログラムもあります。
ホログラムの箔押しには高い技術が必要なため、偽造防止の観点から、お札やギフト券にも使用されています。

●透過箔・パール箔

金属素材がベースのメタリック箔やホログラム箔とは違って、下地が透けて見える透明な箔です。
透過箔は顔料を含まず、質感や透明感だけを付与することができます。
パール箔はパール顔料をコーティングした箔で、透過箔よりもう少し強めの主張があり、上品な深みあるきらめきを施すことができます。
どちらもニスインキで印刷したような艶やかな光沢感があり、地の素材・デザインが透けて見えるため、他の箔とは違ったデザインアプローチが可能です。
印刷部分と重ねての加工が前提なので、下地のデザインとのシナジー効果で様々な色彩効果をもたらします。

【箔の選び方のコツ】

箔を選ぶ際には、デザインや紙質に合わせた細かな工夫が重要です。
例えば、細かく繊細な文字を使用する場合、強い光沢や目立つ色の箔を選ぶことで視認性を高めることができます。
また、可読性を保つためには凹凸の大きい紙を避け滑らかな紙を選ぶのが効果的です。
白地に銀箔を使う際は、艶がある、艶が無い箔を検討するなどバランスも考慮しましょう。
顔料箔は暗い色の紙にも適しています。

さらに、デザインに合わせて箔の種類を使い分けることでしっかり目立たせたり控えめながら上品に演出することができます。
例えば、高光沢の金箔を使えば華やかでインパクトが強くなり、つや消しの箔を使えば落ち着いた雰囲気を作り出せます。
箔には金、銀だけでなく、カラフルな箔やホログラム箔などもあるため使用目的やデザインに応じた選択が重要です。

デザインの幅を広げるためには、どのような箔があるか、そしてその特徴をしっかり把握することが大切です。
箔押しの種類と紙の組み合わせ次第で印刷物の仕上がりは大きく変わります。
デザインや紙色を踏まえた上で、適切な箔を選び、目的に合った仕上がりを目指しましょう。

箔押しに関する疑問や不安な点があれば、ぜひご相談ください。

【版について】

箔押しの作業工程では、箔押し用の版をつくります。
版にはいくつかの種類があります。

●腐食版

亜鉛、マグネシウム、銅などの金属板を酸で腐食させて製作します。
掘りが浅いのでクッション性の高い厚紙への箔押しにはやや不向きですが、版の製作時間が短くコストも安いという利点があります。

●彫刻版

真鍮や銅などの版に、職人が手作業で刻印していく版。
版の掘りが深くので繊細な表現に適していますが、手作業で製作するため、製作時間とコストの面では腐食版に劣ります。

●細かい文字・デザインは避けた方がベター

箔押し部分のデザインは、箔押しの仕上がりに大きく関わってきます。
あまり細い線や小さい文字は箔押し版に不向きで、ひと昔ふた昔前は細かいデザインは箔押しには使わないという認識でしたが、近年は班の精度が上がり、箔押しできるデザインの許容範囲が広がってきました。
線なら0.3pt、文字なら5ptくらいを、およその目安としてもよいかと思います。
もちろん太い線・大きい文字・複雑すぎないシンプルなデザインの方が、仕上がりがきれいになります。
仕上がりに不安がある場合は、箔押し加工の前にデザインラフを確認させていただくなどの対処をしておりますので、お問い合わせフォームからご連絡ください。

【データ作成時の注意点】

●C(シアン)など100%の別レイヤーで
箔押し加工では「データをどう作ればいいのかわからない」という質問が大変多く、経験のない多くのデザイナーが戸惑ってしまうようです。

箔押し加工は箔を熱転写するので、印刷のように濃度を調節できません。
そのため、データはC100%で作り、他のデザインとは分けた単独のレイヤーとして作成します。
CMYKや特色で、見た目に似た色を再現して入稿される方が時々おられますが、箔押しの入稿データはモノクロで作成してください。
データ上で色をつけてしまうと、オフセット印刷や特色印刷と間違われる場合がありますし、データを受け取った弊社としても確認のために一度連絡を取らざるを得ません。
Cなど100%のベタで制作し、ご注文時にオプション加工の「箔押し」の欄の「あり」にチェックをし、備考欄に詳細をご記入ください。

●見当ズレについて

箔押し加工は通常の印刷とは別工程の作業です。
印刷済の用紙の上に箔押し加工を施すので、罫線1-2本程度の見当ズレが起る可能性があります。
ズレが目立たないように、箔押し部分は白く抜いてしまわずに、絵柄や色を引いておきましょう。

●ベタについて

箔面積が広いベタは気泡穴が発生しやすいです。
箔を用紙に熱圧着する際に、箔の面積が広いために空気の逃げ場がなく、箔と用紙の間に空気が残ってしまうからです。
逃げ場のない空気は気泡となり、箔が用紙にきれいに付きません。
広範囲にベタを使用したデザインの仕上がりが気になる方は、事前にデザインラフなどをお見せいただきご相談ください。

●用紙の凹凸について

また、凹凸が多い用紙はあまり箔押しに適しません。
用紙の凹んだ部分に箔がうまくつかず、かすれたような印象になります。
多少なら紙の質感と相まって目につかないかもしれませんが、美しい仕上がりのためには凹凸の少ない紙での箔押しをおすすめします。

 

<箔押し商品の事例>

箔押しを両面で3色使った名刺を御注文いただきました。
用紙はカラープラン-FS キャメルを使用しています。
箔3種盛りです。
箔の種類は、白箔(艶あり)、白箔(艶なし)、金の3種類です。

箔押し_白_名刺

仕様

商品:名刺
サイズ:55x91mm
用紙:カラープラン-FS キャメル 640x970判:217kg
【FSC森林認証紙】
印刷/加工:
表:箔押し(白箔艶有)
裏:箔押し2色(マット白箔、金)
Client:STYLE OF GLOBE Co.,Ltd
Design:株式会社T HOUSE

白箔_名刺

 

名刺_白箔

白箔について

白箔は艶ありと艶なし(マット)をご用意しています。
ご留意頂きたい事があります。
艶なし(マット)は細かい文字や細かい柄の再現が苦手です。
通常の艶ありの白箔は、ある程度の細かいところまで再現可能です。

箔押しは、活版印刷から比較すると印刷ほど細かい再現は得意ではありません。

箔押し_金_名刺

●箔押しの多様な用途と利点

箔押しは、箱やラベルなどのパッケージデザインにおいて商品の価値を高めるために広く活用されています。
特に、高級感を出したい製品には、金や銀の箔を使うことで視覚的なインパクトを与え購買意欲を引き立てます。
ラベルに箔押し加工を施すことで、ブランド名やロゴを際立たせることができ他の商品との差別化にもつながります。
さらに、箔の光沢や質感は触覚的にも特別感を与え、消費者に強い印象を残します。

ラベル印刷_活版_箔押し
クラフトジン ラベル|SiCX京都東山蒸留所
京都東山蒸留所のクラフトジン用ボトルラベルを制作しました。
和をイメージした用紙にオフセット印刷と多色箔押しを施し、紙との相性や色移りを抑える工夫を行いました。
さらに、箔押しの品質を最大限に引き出すために、通常行わない2つの技術を追加し、手間をかけて完成させたラベルです。
ラベル_日本酒_こだわり
日本酒ラベル パチカ|菊正宗酒造株式会社
兵庫県灘の菊正宗酒造株式会社の日本酒ラベル制作に携わりました。
パチカを使用し、加熱空押し、活版印刷、箔押し、エンボス、ダイカット加工など多くの工程を経て完成しました。
デザイナーのご要望に応え、試作から本生産まで多くの挑戦を行い、革新的な工法や加工も多数採用しています。幻_泡盛_かみや_ラベル
泡盛 活版ラベル
沖縄のfukuda design様から依頼を受け、誇酒プロジェクトの千代泉酒造所「幻の泡盛ブレンドボトル」のラベルを制作しました。
3種類の限定泡盛のラベルに携われたことを光栄に思います。
各ラベルは、第1弾から第3弾まで提供し、文字部分には銀箔押し加工を施しました。活版印刷焼酎ラベル

活版印刷で焼酎ラベル
鹿児島阿久根市の大石酒造様の焼酎ラベルを、活版印刷と箔押しで仕上げました。
ラベルには2色活版印刷を施し、空押しのように見える部分はニスと特色インキで印刷後、金の箔押しをワンポイントで追加しています。
封緘部分も同様に2色で仕上げ、ラベルの耐摩耗性を高め、瓶同士の接触による色移りや剥がれを防止しています。

初回掲載:2020年8月1日
更新掲載:2021年5月28日
更新掲載:2021年10月3日
更新掲載:2021年11月22日
更新掲載:2024年9月18日


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