CLOSE

箔押し加工とは|名刺両面箔押し、箔3種盛り(白箔、マット白箔、金箔)

2021.11.22WORKS
マット白箔

箔押しとは

箔押しとは、熱と圧力で箔(ホイル)を用紙に転写する加工方法です。
接着層、金属蒸着層、着色層などの多層構造になっている箔を用紙に乗せ、版で圧力をかけ同時に熱を加えることで、紙に圧着させます。
圧着とともに熱を用いるため、ホットスタンプと呼ばれることもあります。
名刺やカード類に使用される印刷紙以外にも、プラスチック・ビニール・革などにも加工することが可能です。
インキを用いた印刷とは異なる質感を表現できるので、特に目立たせたい箇所に用いられることが多い加工です。

CAPPAN STUDIOでは、品質にこだわった箔押し加工を目指しています。
質感やムラ取りなど細やかなところにまで配慮します。

 

箔押し_しくみ

 

●箔押しの魅力

金や銀をはじめとした光輝性のある箔の輝きは、インキによる印刷だけでは再現できない光沢があり、高級感や上質感を演出する高い視覚効果があります。
名前、社名、ブランドロゴ、イベント名など、インパクトを持たせたい部分を箔押し加工にするのがスタンダードな使い方。
デザインのメイン部分でなくとも、絵柄や背景などを箔押しにして高級感を出す手法もよく用いられ、印刷物全体を華やかにみせる演出に効果的です。
通常よりも上質な雰囲気が演出できるので、印象的な名刺を作りたい場合やインビテーションやギフトといった、特別な仕様の印刷物によく用いられます。

活版印刷と箔押し名刺(つや消し金箔)事例

活版印刷と箔押し名刺(レインボー箔)事例

箔押し

●熟練の職人が作業

印刷物に美しく箔を転写するのには、作業する職人の高い技術が必要です。
例えば同じ金箔を例にとってみても、層の厚みにも違いがあり、紙に合わせて適した箔を選んで使います。
他にも用紙の凹凸、デザインの細かさ、ベタの面積など、箔押しに影響する要素は数多くあります。

一口に箔押し加工といっても画一的に箔をスタンプするだけでなく、紙やデザインとの相性など様々な要因を踏まえて、毎回適した作業を行う必要があるのです。
CAPPAN STUDIOの箔押しは、豊富な経験と技術を持つ熟練の職人が作業を行います。

箔の質感やムラ取りなど、ディテールにこだわった上質な箔押しが可能ですので、できるだけお客様のご要望に応えたいと思います。

●箔押しの敷居を低くしたい

箔押しに対して「高価で納期が長い」というイメージを持っているデザイナー・クリエイターの方は多いと思います。
また経験がない方はデザインの再現性に不安を感じたり、データの作り方がわからなかったり、箔押し加工のことは知っていても、実際に使ったことがないという声も耳にします。
箔押しの面積を大きく取らなければ金額を抑えられますし、ワンポイントに施すだけでも高級感を演出できるので、名刺などにも効果的に使えばそれほどコストもかかりません。
お客様にとって最適な箔押しをご提案させていただくこともできますので、まずは一度ご相談ください。

 

【箔の種類】

箔押しにつかう箔には様々な種類があります。
一口に箔押しといっても様々な個性があり、表現できる領域にも違いがあります。

箔押しの色見本、指定について

箔色見本

●箔押しの代表格・メタリック箔

金箔や銀箔などに代表される、キラキラとメタリックに輝く金属性の箔です。
強い光沢があるので、高級感や華やかさを演出するのに特に向いており、箔押しの代表格とも言えるでしょう。
メタリック系の箔には金銀だけではなく、赤、ピンク、オレンジ、グリーン、ブルーのように鮮やかな色の箔もあります。
色の幅も広く、例えばブルー系の箔に限定しても、スカイブルーやコバルトやネイビーなど、幅広いラインナップの中から選ぶことができます。

●つや消しや暗色の箔で上品な印象に

金箔や銀箔にはつや消し仕様のものが用意されていることも多く、目的に応じた使い分けができます。
箔押し加工で華やかさを加えたいけど、ギラギラと光って主張が強すぎるのは避けたいという場合などには、つや消しの箔がおすすめです。
つや消し以外にも、黒やグレーなど暗めの箔色は主張しすぎにさりげなく使えるので、クールな印象に仕上げることができます。

●絵の具のような顔料箔

表面がマットな、顔料箔と呼ばれる珍しい箔もあります。
顔料・染料をベースフィルムにコーティングしており、メタリック箔のキラキラ感とはひと味違う、しっとりとした艶のある輝きが魅力です。
“絵の具のような”と形容されるように厚みのあるボリューム感も特徴で、黒や濃紺などの紙に白などの明るい色を乗せたいときなどにもおすすめです。
オフセット印刷ともメタリック箔とも違う色合いと輝きを出すことができます。
様々な素材に適応できるのも特徴です。

●ホログラム箔

見る角度によって輝きが違うホログラムホイルも、箔押しに使われます。
オーロラ模様、縞模様、ドット模様と柄・パターンが豊富でデザイン性が高いため、シンプルに平面に加工するだけでも目を引きます。
金や銀だけでなくカラーや透明ホログラムもあります。
ホログラムの箔押しには高い技術が必要なため、偽造防止の観点から、お札やギフト券にも使用されています。

●透過箔・パール箔

金属素材がベースのメタリック箔やホログラム箔とは違って、下地が透けて見える透明な箔です。
透過箔は顔料を含まず、質感や透明感だけを付与することができます。
パール箔はパール顔料をコーティングした箔で、透過箔よりもう少し強めの主張があり、上品な深みあるきらめきを施すことができます。
どちらもニスインキで印刷したような艶やかな光沢感があり、地の素材・デザインが透けて見えるため、他の箔とは違ったデザインアプローチが可能です。
印刷部分と重ねての加工が前提なので、下地のデザインとのシナジー効果で様々な色彩効果をもたらします。

●箔の選び方のコツ

箔の選び方にもちょっとしたコツがあります。
細く繊細な文字がある場合は、強めの光沢や色の箔を採用してより目に留まりやすいようにしたり、かすれないように凹凸の大きい紙を避けることで、可読性を損わない箔押しが可能です。
白地に銀箔を押したデザインを表現したいときにチャコールグレー箔を検討したり、暗い紙色の場合は下地の色に負けないように顔料箔を使ったりと、どんな箔や特徴があるのか知っておけばデザインの幅が広がります。

しっかり目立たせたいとき、少し控えめに上品さを演出したいとき、紙色やデザインを踏まえて、目的に応じて様々な箔を使い分けましょう。
箔押しに関する疑問や不安な点があれば、ぜひご相談ください。

【版について】

箔押しの作業工程では、箔押し用の版をつくります。
版にはいくつかの種類があります。

●腐食版

亜鉛、マグネシウム、銅などの金属板を酸で腐食させて製作します。
掘りが浅いのでクッション性の高い厚紙への箔押しにはやや不向きですが、版の製作時間が短くコストも安いという利点があります。

●彫刻版

真鍮や銅などの版に、職人が手作業で刻印していく版。
版の掘りが深くので繊細な表現に適していますが、手作業で製作するため、製作時間とコストの面では腐食版に劣ります。

●細かい文字・デザインは避けた方がベター
箔押し部分のデザインは、箔押しの仕上がりに大きく関わってきます。
あまり細い線や小さい文字は箔押し版に不向きで、ひと昔ふた昔前は細かいデザインは箔押しには使わないという認識でしたが、近年は班の精度が上がり、箔押しできるデザインの許容範囲が広がってきました。
線なら0.3pt、文字なら5ptくらいを、およその目安としてもよいかと思います。
もちろん太い線・大きい文字・複雑すぎないシンプルなデザインの方が、仕上がりがきれいになります。
仕上がりに不安がある場合は、箔押し加工の前にデザインラフを確認させていただくなどの対処をしておりますので、お問い合わせフォームからご連絡ください。

【データ作成時の注意点】

●C(シアン)など100%の別レイヤーで
箔押し加工では「データをどう作ればいいのかわからない」という質問が大変多く、経験のない多くのデザイナーが戸惑ってしまうようです。

箔押し加工は箔を熱転写するので、印刷のように濃度を調節できません。
そのため、データはC100%で作り、他のデザインとは分けた単独のレイヤーとして作成します。
CMYKや特色で、見た目に似た色を再現して入稿される方が時々おられますが、箔押しの入稿データはモノクロで作成してください。
データ上で色をつけてしまうと、オフセット印刷や特色印刷と間違われる場合がありますし、データを受け取った弊社としても確認のために一度連絡を取らざるを得ません。
Cなど100%のベタで制作し、ご注文時にオプション加工の「箔押し」の欄の「あり」にチェックをし、備考欄に詳細をご記入ください。

●見当ズレについて

箔押し加工は通常の印刷とは別工程の作業です。
印刷済の用紙の上に箔押し加工を施すので、罫線1-2本程度の見当ズレが起る可能性があります。
ズレが目立たないように、箔押し部分は白く抜いてしまわずに、絵柄や色を引いておきましょう。

●ベタについて

箔面積が広いベタは気泡穴が発生しやすいです。
箔を用紙に熱圧着する際に、箔の面積が広いために空気の逃げ場がなく、箔と用紙の間に空気が残ってしまうからです。
逃げ場のない空気は気泡となり、箔が用紙にきれいに付きません。
広範囲にベタを使用したデザインの仕上がりが気になる方は、事前にデザインラフなどをお見せいただきご相談ください。

●用紙の凹凸について

また、凹凸が多い用紙はあまり箔押しに適しません。
用紙の凹んだ部分に箔がうまくつかず、かすれたような印象になります。
多少なら紙の質感と相まって目につかないかもしれませんが、美しい仕上がりのためには凹凸の少ない紙での箔押しをおすすめします。

 

<箔押し商品の事例>

箔押しを両面で3色使った名刺を御注文いただきました。
用紙はカラープラン-FS キャメルを使用しています。
箔3種盛りです。
箔の種類は、白箔(艶あり)、白箔(艶なし)、金の3種類です。

箔押し_白_名刺

仕様

商品:名刺
サイズ:55x91mm
用紙:カラープラン-FS キャメル 640x970判:217kg
【FSC森林認証紙】
印刷/加工:
表:箔押し(白箔艶有)
裏:箔押し2色(マット白箔、金)
Client:STYLE OF GLOBE Co.,Ltd
Design:株式会社T HOUSE

白箔_名刺

 

名刺_白箔

白箔について

白箔は艶ありと艶なし(マット)をご用意しています。
ご留意頂きたい事があります。
艶なし(マット)は細かい文字や細かい柄の再現が苦手です。
通常の艶ありの白箔は、ある程度の細かいところまで再現可能です。

箔押しは、活版印刷から比較すると印刷ほど細かい再現は得意ではありません。

箔押し_金_名刺

初回掲載:2020年8月1日
更新掲載:2021年5月28日
更新掲載:2021年10月3日
更新掲載:2021年11月22日


活版名刺のご注文・お見積りはこちら
関連記事
最新記事